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シリア暫定政権のシャラア大統領=2025年5月7日、パリ、AP

 シリア国営通信(SANA)は27日、同国の人民議会(国会)選挙が、9月15~20日の日程で実施されると報じた。昨年12月のアサド政権崩壊後で初めてとなる。異なる宗派や民族間で争いが続き、内戦で分裂した領土の統一も道半ばだか、シリア全土で民主的な選挙が遂行されるかが焦点となる。

 SANAが同国の選挙管理委員会トップの発言として報じたところによると、210議席のうち70議席は暫定政権のシャラア大統領によって直接任命される。選挙プロセスは国内外の監視団によって監視されるという。

 アサド政権崩壊後に発足した暫定政権は、アサド政権下の人民議会を解散。議会選挙の実施は暫定政権が目指す民主化の一歩となるが、領土の約3分の1にあたる北東部一帯はクルド人武装組織を主力とするシリア民主軍(SDF)が支配しており、全土で投票が実施されるかは不透明だ。

 多数派であるイスラム教スンニ派が主導する暫定政権側の勢力と少数派の同アラウィ派や同ドルーズ派をめぐる衝突も相次いでおり、少数派が安全に投票できる環境の整備も課題となる。

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